重度訪問介護対象者むけに大学内や通学の介護の制度が開始(希望者は市町村と実施の相談を)

4月からの厚労省予算案が公開されました。
モデル事業が行われていた重度訪問介護での大学通学と大学内の介護ですが、重度訪問介護本体で実施することは見送られ、代わりに、地域生活支援事業の補助金事業で新年度から開始されます。
大学等に通う障害者が対象となっています。
補助金事業は、通常、市町村と都道府県が予算化して国と調整が必要です。
該当の方は市町村と相談をして県や厚労省に相談を初めてもらってください。

2017年12月22日に閣議決定された平成30年度予算案では、厚生労働省障害保健福祉部が所管する地域生活支援促進事業において「重度訪問介護利用者の大学等の修学支援事業」(以下「修学支援事業」)が盛り込まれた)。

平成29年度に創設された地域生活支援促進事業について、2018年3月に開催された厚生労働省の障害保健福祉関係主管課長会議の資料7)は、「地域生活支援事業に含まれる事業やその他補助事業のうち、国として促進すべき事業について、『地域生活支援促進事業』として特別枠に位置付け、5割等の補助率を確保し質の高い事業実施を図る」としている。

(地域生活支援事業と同じ補助率で、国50%、県25%、市町村25%の費用負担割合)

また、平成30年度予算案では42億円が計上され、実施を希望する自治体は国と国庫補助協議を行う必要がある。

(以下は2018年3月14日障害福祉関係主管課長会議資料より抜粋)

地域生活支援促進事業実施要綱

(別記5)
重度訪問介護の大学修学支援事業

1 目的
重度障害者が修学するために必要な支援体制を大学が構築できるまでの間において、重度障害者に対して修学に必要な身体介護等を提供し、もって、障害者の社会参加を促進することを目的とする。

2 実施主体
市町村とする。

3 事業内容
(1)支援内容
(2)に定める対象者が(3)に定める大学等において修学するに当たり、大学等が当該対象者の修学に係る支援体制を構築できるまでの間において、大学等への通学中及び大学等の敷地内における身体介護等(以下「支援」という。)を提供する。
(2)対象者
本事業の対象者は、以下の①及び②の要件を満たし、③の要件に該当しない障害者 以下の①、②及び③の要件をすべて満たす障害者(以下「対象者」という。)とする。
① 原則、重度訪問介護を利用する者(※)
② 入学後に停学その他の処分を受けていない者
③ 入学後に病気や留学等のやむを得ないと認められる特別な事由なく前年度の修得単位数が皆無若しくは極めて少ないなど、学修の意欲に欠ける者
※ 本事業は、本事業の利用時間と在宅におけるホームヘルプの利用時間を合わせたとき、比較的長時間にわたる総合的かつ断続的な支援となることが想定されることから、重度訪問介護利用者を対象としている。ただし、重度訪問介護の利用者であっても、支援の時間が長時間にならない場合は、重度訪問介護を利用していない場合であっても対象として差し支えない。
なお、重度訪問介護の対象者は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省令第523号)別表第2の1の注1のとおり。
(3)大学等の要件
本事業の対象となる大学等は、学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学等(大学(大学院及び短期大学を含む。)及び高等専門学校)とする。
また、本事業は、大学等が対象者に対する修学に係る支援体制を構築できるまでの間において支援を提供するものであることから、修学先の大学等については以下の①及び②の要件を満たすこととする。
① 障害のある学生の支援について協議・検討や意思決定等を行う委員会(※1)及び障害のある学生の支援業務を行う部署・相談窓口(※2)が設置されていること。(※3)
※1 例えば、障害学生委員会、バリアフリー委員会、支援担当者会議など名称は問わない。また、学生支援委員会など他の専門委員会で障害学生支援について取扱う場合も含む。
※2 例えば、障害学生支援室、障害学生支援センター、バリアフリー支援室など名称は問わない。また、障害学生支援に関する専門部署ではないが、学生課や保健室等において障害学生支援業務を担当している場合も含む。
※3 平成30年度中に限り、大学等がこれらを設置する予定があることをもって、要件を満たすものとする。
② 大学等において、常時介護を要するような重度の障害者に対する支援体制の構築に向けた計画が立てられ、着実に大学等による支援が進められていること。(※)
※ 本事業を初めて利用する対象者の場合、大学等が計画を立てる予定があることをもって足りるものとする。
(4)運営基準
支援の提供に当たっては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第二章を参考に市町村が定める運営基準に基づき実施することとする。

5 留意事項
(1)大学等への確認
市町村は、対象者から初めて事業の利用に係る申請があった場合又は前年度に本事業を利用していた対象者から継続的な利用に係る申請(以下「継続申請」という。)があった場合、修学先の大学等が3の(3)の要件を満たすかどうかを大学等に確認することとする。
なお、継続申請の場合、3の(3)の②について、過去1年間における支援体制の構築の進捗状況等を書面で確認を求めることとする。
(2)本事業の対象外となる支援
本事業は、大学等における修学に係る支援を対象とするものであることから、大学等からの帰宅途中における余暇活動等、修学に関わらない活動への支援については事業の対象外とする。
なお、修学に関わらない活動への支援は、重度訪問介護の対象となり得ることに留意すること。