障害者の一人暮らしをサポートします

障害者の一人暮らし

  • HOME »
  • 障害者の一人暮らし

障害者の一人暮らし

生活費

地域で車椅子で一人暮らしをしている人の生活費の例です。

障害基礎年金81,260円/月(毎年多少の変動あり)、特別障害者手当26,830円/月(毎年多少の変動あり)、生活保護費71,000円/月(これは埼玉県所沢市の場合です。地域によって差があり、その市町村ごと支給額が設定されています。)
合計 179,090円/月

このように障害があって働けない場合、障害基礎年金(または障害厚生年金)、特別障害者手当、生活保護費を組み合わせて毎月生活費として使うことができます。
障害があっても働ける場合は生活保護制度を利用しなくても生活できますが、車椅子を利用していて重度の障害がある場合働くことが難しいので国の制度である生活保護を利用します。生活保護制度を利用することは、恥ずかしい事、わがままな事ではありません。働きたくても障害がある人には働く場所が限られてしまうのが、今の社会の現状です。だからと言って、自分が生活する場所の選択肢を障害者施設やグループホームに限定されることに疑問を感じます。そこで生活保護制度を使うことで地域でアパートなどを借りて普通の暮らしをするという選択肢が増えます。

アパートの借り方(バリアフリー化)

アパートを借りる場合、障害があるとなかなか貸してもらえません。大家さんが心配することを一つ一つ説明していくことで借りることができます。(詳しくはお問い合わせください。)

アパート探しの様子

アパートを借りた後、車椅子で生活できるようにバリアフリー化が必要です。バリアフリー化にはお金がかかるので自費で行うのは困難です。そこで市町村の制度を利用することで段差などを解消していく住宅改修を行います。

バリアフリー化の例

アパート玄関のスロープ設置 約50,000円 住宅改修費補助制度(日常生活用具給付等事業)
和室がある場合の畳のフローリング化、室内の敷居の段差解消 約150,000円 住宅改修費補助制度(日常生活用具給付等事業)
浴室の入浴用リフト設置 約600,000円 移動用リフトの給付159,000円(日常生活用具給付等事業)

生活福祉資金貸付制度441,000円

設置型天井走行リフトの設置 約1,300,000円 生活福祉資金貸付制度

※住宅改修費補助制度(日常生活用具給付等事業)は合計で200,000円まで補助される全国一律の制度ですが、市町村によって金額に多少の差があります。

以上のような制度を使って設置費用をまかなうことができます。生活福祉資金貸付制度は生活保護を受けている場合、自己負担なしで返済することができます。

住宅改修の例はこちら。

ヘルパー

障害の程度に応じてヘルパーの派遣を受けることができます。重度な障害の人の場合24時間の介護派遣が可能です。
一日2時間~3時間程の介護が必要な場合、身体介護、家事援助の介護サービスを利用します。身体介護は入浴、排泄、着替えなど身体に触れることを行うサービスです。家事援助は掃除、洗濯、買い物、料理などの家事を行うサービスです
重度な障害があり常に介護が必要な人の場合、一日24時間の重度訪問介護の介護サービスを利用します。重度訪問介護は身体介護、家事援助、移動介護、見守りを総合的に行うサービスです。
(詳しくはお問い合わせください。)

CIL支援の一人暮らしまでの流れ(あくまでも一例です)

自立12ヶ月前  相談
「自立生活をしたい」という希望を伝える。
自立10ヶ月前  長期ILP(自立生活プログラム)を受講。(全10回シリーズ)
自立7ヶ月前 相談
ILPを受講し、自立生活をしたいという意志がはっきり固まった。
長期ILPを受講して、自立生活をするために自分が何を学ばなければいけないのかが具体化された。
自立4ヶ月前 相談
個別ILPの内容を決める。
自立3ヶ月前  個別ILP
ILPの内容:アパートの借り方、金銭管理、制度の受け方など、本人の希望を聞いて相談。
自立3ヶ月前 宿泊体験(2泊3日)
「介助者に指示を出す」ということの体験。自分に必要な介助、介助時間を確認する。
自立2ヶ月前 アパート探し
不動産屋をまわり、物件をみる。内見し、スロープ、リフトの設置が可能か業者に相談。
契約する物件を決定。
自立2ヶ月前 個別ILP
行政への申請の資料作成、どのように話をするかを個別ILPで確認する。相談支援事業所にサービス等利用計画案の作成依頼。
自立1.5ヶ月前 面接
CILの介助者面接に、面接官の一人として同席する。
自立1ヶ月前、前例のない市町村では2・3ヶ月前 行政交渉
転居先の市の障害福祉課の係長、担当CWと会う。
[話すこと]
・A市に転入し、生活する。
・生活保護を申請する。
・自立支援法の申請をする。
・住宅改修の申請をする。
・日常生活用具の申請をする。
・申請する福祉手当・制度の中身を伝える。
自立当日
自立生活
スタート
転出・転入手続き
・転出、転入手続きをする。
・障害福祉課:様々な制度の申請。
・生活保護課:生活保護の申請 。
~自立後1ヶ月 個別ILP
生活保護のケースワーカーの訪問への対応。
~自立後1ヶ月 生活保護のケースワーカーの訪問
担当の生活保護課のケースワーカーが、自宅を訪問。生活の状況、これまでの略歴などをきかれる。
~自立後1ヶ月 個別ILP
介助者との関係など、必要に応じてその都度行う。

アパートのバリアフリー化紹介

実際のアパート暮らしの様子を紹介します。

◆埼玉県Aさんの場合(頸椎損傷 24時間介護/日)
2LDK 駅まで徒歩10分 4F南向きエレベーターあり

物件探しは不動産屋に2,3件の物件をみせてもらい、気に入った物件が1件あったので申し込みをしましたが、生活保護が理由で審査に落ちてしまいました。その次に前に住んでいたアパートの不動産屋に相談して物件をみせてもらいました。前に借りていたアパートの前例があり、信用してもらっていたので障害者で生活保護の人にはあまり見せないという物件を紹介してもらえました。

アパート入口スロープと4階へのエレベーター

アパートの入り口1階はスロープがついていましたが、少し急なので手動の車いすでは押してもらわないと上がることが難しく感じます。
エレベーターがあるので4階に上がることができ、部屋の入り口までは段差もありません。

通路から玄関と和室フローリング化

玄関は段差がほとんどなく、スロープなどを設置しなくても出入りが可能です。一部屋が畳の部屋だったので住宅改修費補助制度を使ってフローリングマットで畳を保護しました。敷居の段差もほとんどないため、そのままでも部屋の行き来が容易にできるようになっています。

浴室入口の段差解消と浴室のリフト

浴室に行くまでに段差が20cmほどあるので、簡易スロープをその都度設置して浴室に移動します。浴室リフトは生活福祉資金貸付制度と生活保護を併用し自己負担なしで設置しました。

◆東京都Bさんの場合(筋ジストロフィー 10時間介護/週4日)
駅まで徒歩2分 4F南向きエレベーターあり

物件探しでは一件目は申し込みをしたところ審査に落ちてしまい借りられませんでした。二件目を借りたのですが一階に飲み屋が数店舗あり、夜は少しうるさく感じますが、駅近、家賃が安い、玄関に段差がない、部屋もリフォーム済み、という好条件だったので、ここに決めました。

4階までのエレベーター

エレベーターは狭いので手動の車いす一台が乗るのがやっとの広さです。中で転回もすることはできません。介助者はひとり乗ることが出来ます。

玄関のスロープ

部屋の前の廊下と扉までとの段差はありませんが、室内と玄関との段差が15センチほどあったため、市の日常生活用具給付制度を使いスロープを設置することで出入りを可能にしました。床と車いす間の乗降りのため天井走行リフトを、日常生活用具給付制度と生活福祉資金貸付制度と生活保護制度を併用して自己負担なしで設置しました。

室内移動用リフト

天井走行リフトのため、部屋のどこへでも移動が可能になっています。介助者がいない状態でも利用しています。

※現在、浴室は入浴用リフトの申請中

不動産屋は、前回の物件で審査に落ちてしまったことを話すと、審査に落ちないよう対策してくれました。この物件は大家さんが管理しているのではなく、管理会社が管理しているので、改修に関しては融通が利きずらいです。

◆山口県Cさんの場合(脳性麻痺 24時間介護/日)
2DK 駅まで徒歩10分 東向き

物件探しは不動産屋を3,4件周りました。1件目の不動産屋は障害者の人には貸せないと門前払いされました。2,3,4件目は物件を1〜3件ほど見せてくれました。何件か周ったのち、日当たりも良く、敷地内に段差などもなく、家賃も予算内の55,000円だったので申し込みました。

玄関のスロープ

アパートの部屋の入り口には30cmほどの段差がありました。市の住宅改修費補助制度を使って常設のスロープを設置しました。スロープを入り口に対してまっすぐつけてしまうと壁が邪魔をして入ることが出来ないため、L字に曲げた形のスロープを設置しました。角部屋なので他の住人の通行の邪魔にならないので、設置の承諾がとれました。

トイレ、浴室、寝室のリフト

トイレとお風呂が別れている物件の場合、お風呂にシャワーチェアを置くことができます。トイレ、お風呂、寝室にそれぞれリフトを設置しました。生活福祉資金と生活保護制度を組み合わせて、自己負担なしで設置することができました。

室内の段差解消

一部屋が畳の部屋だったので住宅改修費補助制度を使ってフローリングマットで畳を保護しました。敷居の段差も小さいスロープで解消し、部屋の行き来が容易にできるようにしました。

ちなみにこの物件は、大家さんが高齢のご夫婦で申し込み時に対応してくれたのがご主人の方だったので入居の承諾してくれましたが、奥さんの方は貸したくなかったようで、更新の度に家賃を上げるか、出ていくかのどちらかにしてほしいといわれて大変です。その対応は不動産屋がしてくれています。

◆長野県Dさんの場合(脳性麻痺 24時間介護/日)
2DK 駅まで徒歩12分 南東向き

物件探しは不動産屋を3,4件周りました。どの不動産屋も何件か見せてくれましたが、どの物件も古くて駅から離れている物件ばかりでした。最後に見に行った物件が一番きれいで日当たりも良かったことから、そこに申し込みました。家賃も予算内の53,000円でした。表の入り口に階段が3段あり、共用スペースなのでスロープ設置が難しそうでしたが裏口に回ると、駐車場から入ることが出来る通路があったので、そこにスロープを設置できれば入居可能だと判断しました。大家さんに確認してもらったところ、裏口ならば通る人があまりいないので設置してもいいとの事でした。

アパート駐車場から裏口のスロープ

市の住宅改修費補助制度を使って常設のスロープを設置しました。屋根がなく雨があたる場所にスロープを設置しなければいけなかったため、ウッドデッキで使われている木材を使用し、壁いっぱいに隙間なく設置することで落下防止になるようにもしました。駐車場の入り口の段差も鉄板で段差をなくしてあり、コンクリートがガタガタになっていたところも補修をかけてあります。

玄関のスロープ

入り口は20cmほどの段差があり、玄関のスペースが狭いのでとても急なスロープになってしまいまたが、介助者が常にいるので出入りに関しては問題ありません。スロープを降るときは介助者に体を押さえてもらう等の対処もしています。

室内の段差解消

一部屋が畳の部屋だったので住宅改修費補助制度を使ってフローリングマットで畳を保護しました。敷居の段差も小さいスロープで解消し、部屋の行き来が容易にできるようにしました。

※現在、浴室は入浴用リフトの申請中

物件の管理は大家さんに任された管理人の方がしていて、隣の一軒家に住んでいます。とても感じのいい方です。不動産屋は管理に関しては関与していなく、大家さんの直接の管理物件です。

PAGETOP
Copyright © 障害者一人暮らし支援会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.