介護保険対象者の国庫負担基準が改善。重度訪問介護15%加算対象者は大幅アップ

ALSなど介護保険対象の障害者は、国庫負担基準が低かったのですが、今回、障害者団体の要望で大幅に金額が上がりました。居宅介護と重度訪問の国庫負担基準の差額を介護保険対象者の基準額にするという2006年当初の方法に戻します。重度訪問介護15%加算対象者の基準額が大きく上がっていたのに、介護保険対象者の金額が連動して上がっていなかったことを適正化しました。

重度訪問介護の15%加算対象者は通常69万8300円ですが、介護保険対象でも42万5600円になります。約9万円アップです。(1単位10円の地域の場合。以下同じ)。

重度訪問介護の区分6は通常48万1100円ですが、介護保険対象者は約2万円アップで16万200円になります。(詳細は 主管課長会議資料 障害福祉課2分冊 275p~を御覧ください)

過疎地など特定地域加算(15%)の対象地域は国庫負担基準も15%アップ

過疎地や離島や山村、特別豪雪地域など、特別地域加算の15%加算がある地域では、いままで加算がなかったのですが、国庫負担基準が15%加算されることになりました。

小規模市町村の国庫負担基準が最大2倍に大幅アップ 

小規模の市町村では、例えば、24時間介護の必要なALS患者が1人いるだけで、国庫負担基準を超過し、市町村の負担が過大になり、必要なサービスが提供できないという問題が起きています。そこで厚労省は小規模市町村にかぎって基準オーバー分の全額をカバーする制度改正を目指していましたが、そこまではできなかったようで、今回は最高で国庫負担基準が2倍になる方法となりました。
(重度訪問利用者がヘルパー制度利用者の20%以上で、月50人未満(年600人未満)の支給決定者数の場合100%の加算で2倍となる)。

支給決定者数の年間合計人数内の重度率によって、どの程度加算されるかの表

例えば、秋田県の過疎地の小規模自治体ではALS2名が24時間介護の必要な状況になっても国庫負担基準の問題で必要な支給量が決定できずにいました。このような地域でも、市町村全体の利用者の国庫負担基準が2倍になり、介護保険対象者の基準も上がり、さらに特定地域の15%加算で、大幅に基準が上がりました。
(計算上は、重度訪問15%加算の介護保険対象ALS2名+区分6の居宅介護利用3名=合計5名の町の場合、月200万円ほどの基準額アップ)。
これにより、過疎地などの小さい市町村では重度訪問利用者を2割以上等にすることで、国庫負担基準の問題は解決します。例えば、居宅介護利用者でも日が変われば同じ事業所で重度訪問介護利用が可能ですから、月1回でも重度訪問介護を使って外出等してもらうことも可能です。