今から15年前に刊行された「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」が映画化されまして、縁あって映画の試写会に招待されました。試写会は12月13日によみうりホールにて行われました。
自分が18歳の時にこの本を父から勧められて読みました。筋ジスを持って生まれて早くも人生を半分諦めていた自分は、人工呼吸器を付けながらも病院を飛び出してボランティアの手を借りて自分の生きたいように生きた鹿野さんの生き様にはトンデモナイ衝撃を受けました。こんな生き方は絶対無理だろ、と思いながらも、一人暮らしをしてみたいと密かに思い始めた瞬間でもありました。
ボランティアで実際に生活された方が身近にもいますが、話を聞く限りではボランティアで24時間の吸引ができる介助体制は並々ならぬ精神力と体力がいることだろうと思います。制度による介護保障が得られるようになりましたが、地方ではまだまだ介護派遣を担う介護事業所がありません。そのため、地方で自立生活をするためには自薦ヘルパーを利用する必要があります。非常に関係性の近い自薦ヘルパーを利用するのは人間関係の極みという点においては、ボランティアとの関係に近いものがあります。私も自薦ヘルパーを利用していますが、自薦ヘルパー達とこの映画を一緒に観ることで、昔の筋ジスを持ちながらの自立生活の難しさや主体性とは何かを改めて考えることができました。
鹿野さんの自立生活への想いは、障害者一人暮らし支援会にも引き継がれていますので、これからも地方の自立生活を望む重度障害者の想いに応える活動に邁進していきます。
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