全国介護保障協議会では、制度の解説・情報等をHPに掲載しています。

当会HPより2015年7~12月の情報を転載致します。

ヘルパーの国庫負担基準超過の小規模市町村対策を改正

特に小規模な市町村では、例えば24時間介護の必要なALS患者が1人いるだけで、国庫負担基準を超過し、市町村負担が過大になり、必要なサービスが提供できないという問題が起きています。ある過疎の町では町内にALSが2名いて、サービスが十分に受けられないのに、周りの市町村ではそのような重度な利用者はいないという状況です。国庫負担基準超過市町村への超過分の補助金制度はありますが、過半数の県では県が制度を実施しないため市町村がりようできず、実施している県でも、県が用意した予算が少ない感があり、市町村が困っています。

このように、特に小規模な市町村に対しては、早急に国庫負担基準の改正が必要な状況でした。

 

2015年12月の社保審障害者部会の報告書「障害者総合支援法施行3年後の見直しについて」では、ヘルパー制度の国庫負担基準について、「国庫負担基準内で賄うことができるサービス量以上を必要とする重度障害者に対して適切な支給決定が行われないとの指摘がある」「重度障害者が多いこと等により訪問系サービスの支給額が国庫負担基準を超過せざるを得ない小規模な市町村により配慮した方策を講じるべきである」と、改正する方向でとりまとめられました。(政府の報告書では「講じるべきである」は、「改正します」という意味)。報告書にここまでの踏み込んだ書きぶりのため、小規模な市町村については国庫負担基準超過分の負担が解消される仕組みになると予想されます。

国庫負担基準の改正は、3年に1回の報酬改定の都市に行われますので、2018年4月の改正になります。通常は新制度の予算を財務省に認められるには、利用者数などを調べ、細かい予算を把握し、余計に費用がかかるようであれば、対象市町村を狭めるなどの調整があります。2017年4月改正の予算は2017年12月に確定します。そのため、その前までに全国の小規模市町村の超過額などの状況の調査を行うと思われます。現行の補助金制度(以下の図を参照)では人口3マン人以下が小規模市町村で全額補助の対象となっていますが、今回の制度改正では、小規模に入る市町村のラインは、人口3万人なのか5万人なのか、まだわからないということになります。

 

2018年までは補助金制度で行くこととなります。この詳細については、以下のホームページ記事をご覧ください。

http://www.kaigoseido.net/topics/15/123.pdf