全国介護保障協議会では、制度の解説・情報等をHPに掲載しています。
当会HPより2016年1~7月の情報を転載致します。

社保審の最終報告より制度改正の説明(法改正不要の項目の続報)
小規模市町村はヘルパー制度でかかった費用全額を補助対象に

法改正が不要の項目のため、法改正項目の厚労省資料(2016年6月30日社保審資料)には掲載されていませんが、2018年4月に改正予定です。引き続き詳細の検討がされています。

特に小規模の市町村では、例えば24時間介護の必要なALS患者が1人いるだけで、国庫負担基準を超過し、市町村負担が過大になり、必要なサービスが提供できないという問題が起きています。ある過疎の町では町内にALSが2名いて、サービスが十分に受けられないのに、周りの市町村ではそのような重度な利用者はいないという状況です。
国庫負担基準超過市町村への超過分の補助金制度はありますが、過半数の県では県が制度を実施しないため市町村が利用できず、実施している県でも、県が用意した予算が少ない場合があり、市町村が困っています。
このように、特に小規模な市町村に対しては、早急に国庫負担基準の改正が必要な状況でした。2015年12月の報告書では、ヘルパー制度の国庫負担基準について、「国庫負担基準内で賄うことができるサービス量以上を必要とする重度障害者に対して適切な支給決定が行われないとの指摘がある」「重度障害者が多いこと等により、訪問系サービスの支給額が国庫負担基準を超過せざるを得ない小規模な市町村に、より配慮した方策を講じるべきである」と、改正の方向で取りまとめられました。

このため、小規模な市町村については次回の報酬改定(2018年4月)などの機会に、市町村のヘルパー費用の全額を国庫負担の対象にする仕組みになると思われます。

現行の国庫負担基準超過市町村への補助金制度では人口3万人以下が小規模市町村と分類され、全額補助の対象となっていますが、今度の改正での「小規模」に入る市町村のラインは、人口3万人なのか5万人なのか、まだ決まっていません。2016年夏には2015年度の全国の市町村の決算が国にデータとして揃い、以降に必要な予算が試算できるようになるため、それ以降の検討になると思われます。

あと2年間は補助金制度で行くことになるので、各県では(制度実施していない場合の)補助金制度の開始や(実施していても満額補助していない県での)予算を増額するための県議会議員への要望やロビー活動等を引き続き県内の障害者団体で協力して行うようにお願いします。
(この補助金制度の詳細については、ホームページ記事 http://www.kaigoseido.net/topics/15/123.pdf をご覧ください。)